記事

15句・5つの場面

人間関係の悩みに効く、哲学者の名言

人間関係の悩みが難しいのは、相手を変えられないところにあります。それでも、同じ出来事をどう受け取るか、どう伝えるかには、自分で選べる余地が残っています。ストア派、仏教、老荘、儒教、実存主義——立場の違う哲学者たちが、そろってその余地を指さしています。

ここでは名言を「一言が刺さって抜けない」「理不尽な相手に怒りがおさまらない」「人の目が気になる」「伝え方でぶつかる」「関わること自体に疲れた」という五つの場面に分けて並べました。いまの自分に近い場面から読んでください。一句ずつ、出典とくわしい解説のページへ進めます。

誰かの一言が刺さって抜けない

言われた言葉そのものより、そこから自分が引き出した結論のほうが長く残ります。ストア派と仏教は、その結論を切り離して見るよう勧めます。

エピクテトス提要
人を悩ませるのは事象そのものではなく、事象についての判断である。
この場面で

相手の発言と、そこから自分が下した判断を分けて書く。「嫌われた」は事実ではなく、判断かもしれない。

この一句をくわしく読む →
マルクス・アウレリウス自省録
私たちの人生は、私たちの思考が作り上げるものだ。
この場面で

何度も思い返して消耗するのは、出来事に予測や評価を足し続けているから。まず事実だけを一行にする。

この一句をくわしく読む →
ブッダダンマパダ
すべては心から生じ、心によって形作られる。
この場面で

相手の言動は動かせなくても、そこに自分が足した解釈は書き出して見直せる。

この一句をくわしく読む →

理不尽な相手に、怒りがおさまらない

怒りを無理に消す必要はありません。ただ、その怒りをどう扱うかで、苦しむ時間の長さは変わります。

マルクス・アウレリウス自省録
最良の復讐は、相手と同じような人間にならないことだ。
この場面で

言い返す前に、その言葉が、自分が嫌った相手のやり方と同じになっていないかを確かめる。

この一句をくわしく読む →
ブッダダンマパダ
怨みに怨みで報いても、怨みは決して止まない。怨みを捨ててこそ止む。これは永遠の真理である。
この場面で

怨みを思い返すたびに苦しんでいるのは誰か。手放すのは相手のためではなく、自分のため。

この一句をくわしく読む →
老子道徳経 第43章
天下の至柔は、天下の至堅を馳騁す。
この場面で

何度言っても変わらない相手には、伝える中身ではなく当て方を変える。柔らかいものが、硬いものを動かす。

この一句をくわしく読む →

人の目・評価が気になる

他人の視線は避けられませんが、それをただ一つの物差しにする必要はありません。実存主義の二人とニーチェが、その物差しの正体を言い当てています。

ジャン=ポール・サルトル出口なし
他者は地獄である。
この場面で

地獄なのは他人そのものではなく、他人の評価だけで自分を測ってしまう状態。判断材料をほかにも持っておく。

この一句をくわしく読む →
ハイデガー存在と時間
誰もが他者であり、誰ひとりとして自分自身ではない。
この場面で

「みんなならどうするか」で選んでいるとき、その「みんな」は誰でもない。自分ならどうしたいかを一度だけ問う。

この一句をくわしく読む →
ニーチェ遺稿
事実というものはない。あるのは解釈だけだ。
この場面で

「客観的に見て」と言われても、それも一つの立場からの解釈。どこから出た評価なのかを確かめる。

この一句をくわしく読む →

正しさや伝え方でぶつかる

正しいことを言っているはずなのに、関係がこじれていく。そんなときは、主張の中身ではなく、相手をどう扱っているかを見直す言葉が効きます。

老子道徳経 第8章
上善は水の若し。水は善く万物を利して争わず。
この場面で

主張は取り下げなくていい。勝ちに行かなくても伝わる形がないかを探す。

この一句をくわしく読む →
孔子論語 衛霊公第十五
己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。
この場面で

伝える前に、その伝え方を自分がされたらどうかを確かめる。注意や指導をする立場での基準になる。

この一句をくわしく読む →
イマヌエル・カント道徳形而上学の基礎づけ
自分の人格の中の人間性も、他人の人格の中の人間性も、決して単なる手段としてではなく、常に同時に目的として扱え。
この場面で

相手を、目的のための手段としてだけ扱っていないか。相手がそのやり方に同意できるかを一度だけ考える。

この一句をくわしく読む →

人と関わること自体に疲れた

「もう誰とも関わりたくない」と感じる日もあります。関係を断つのではなく、関わり方の重さを調整するための言葉です。

アリストテレス政治学
人間は本性上、ポリス的(社会的)動物である。
この場面で

人は一人では満たされにくい生き物。全員と付き合う必要はないが、断ち切ることが根本の解決になるとは限らない。

この一句をくわしく読む →
エピクテトス提要
私たちにコントロールできるものと、できないものがある。
この場面で

相手の気持ちや返事は動かせない。自分の言葉と行いにだけ責任を持てば、関わる重さは軽くなる。

この一句をくわしく読む →
ブッダダンマパダ
執着を捨てることで、苦しみから解放される。
この場面で

手放したくない関係ほど苦しいときに。「失うのが怖い」と「本当に大事」を、分けて考えてみる。

この一句をくわしく読む →

あなたの人間関係の悩みを、哲学者ならどう捉えるでしょうか。実際に聞いてみることができます。

無料で相談してみる →