PHILOSOPHER'S WORDS
己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。
— 孔子/論語 衛霊公第十五
一言でいうと
自分がされたくないことは人にもしない。生涯守るべき一語を問われた孔子が「恕(思いやり)」と答え、その内容として示した具体的な基準。
くわしい解説
弟子の子貢が「一言で生涯行うべきものはありますか」と問い、孔子が「其れ恕か」と答えた場面に続く言葉です。恕は他者への思いやりを指しますが、抽象的な理念ではなく、判断に使える具体的な手順として提示されているのが特徴です。
キリスト教の黄金律「人にしてもらいたいことを人にもせよ」と比較されますが、形が否定文である点に違いがあります。してほしいことを与える形だと、自分の好みを相手に押しつける危険が残ります。しない側から線を引くほうが、相手の領分を侵しにくい構造です。
孔子の思想では、関係は役割と礼によって形づくられます。ただし礼が形骸化しないよう、内側に恕を置く。外側の形式と内側の配慮が対になっていて、どちらか一方だけでは機能しないという設計になっています。礼だけでは冷たくなり、恕だけでは相手に届かない。だからこの一句は、心構えではなく判断の道具として置かれています。
どんな悩みに効くか
指導や注意をする立場で迷ったときの基準になります。伝える必要があるかどうかではなく、その伝え方を自分がされたらどうかを先に確かめてください。内容が正しくても、形が自分に耐えられないものなら、相手にも届きません。
この言葉の哲学者に相談できます
孔子
仁(思いやり)
この言葉が効く悩み
この言葉に出てくる考え方
孔子の他の言葉
近いことを言っている名言
あわせて読みたい記事
仕事を辞めたいと悩むあなたへ:キャリアの迷いに効く3つの哲学視点
日々の労働に限界を感じ、仕事を辞めたいと思った時に。アリストテレス、マルクス・アウレリウス、サルトルの思想から、働くことの本質を見つめ直します。
職場の人間関係に疲れた時の対処法:心の距離を保つストア派の思考法
理不尽な上司、気が合わない同僚、他人の愚痴に振り回されて心がすり減っていませんか。エピクテトス、サルトル、ブッダの智慧から、人間関係の疲れを解消し快適な距離感を作る方法を提案します。
恋愛・結婚のパートナーシップで悩んだ時:愛と孤独を見つめる愛の哲学
「愛する人とうまくいかない」「パートナーとの孤独感に耐えられない」「結婚への不安がある」恋愛感情の葛藤に、ニーチェ、サルトル、ブッダの鋭い愛の哲学を提案します。
名言は、あなたの状況を知りません。この視点で、いまの悩みを相談してみませんか?
無料で相談してみる →