一言でいうと
人は一人で完結する存在ではなく、他者と共に暮らし、言葉で善悪を語り合う共同体の中でこそ人間らしくなる、という人間観。孤立は自由ではなく欠如だ、という含みを持つ。
くわしい解説
「ポリス的」は「社会的」と訳されることも多い言葉ですが、アリストテレスが念頭に置いていたのは、古代ギリシャの都市国家(ポリス)という具体的な共同体でした。家族や村は生活の必要を満たすために生まれるのに対し、ポリスは「よく生きる」ために存在する、と彼は書いています。
根拠として彼が挙げるのは言葉(ロゴス)です。群れで暮らす動物も声で快不快を伝え合いますが、人間だけが言葉で「何が有益で何が有害か」「何が正しく何が不正か」を語り合える。善悪を共有する営みこそが共同体をつくる、というのが彼の見立てです。
同じ箇所で彼は、共同体を必要としない者は「獣か神か」のどちらかだとまで言います。これは孤独な人を責める言葉ではなく、人間の幸福(エウダイモニア)は他者との関係の中でしか完成しない、という主張の裏返しです。人付き合いの悩みが深く刺さるのも、それが人間の本性に触れる問題だからだと読めます。
どんな悩みに効くか
人間関係に疲れて「もう誰とも関わりたくない」と感じるときに。この言葉は、関係を断つことが根本の解決になりにくい理由を教えてくれます。全員と付き合う必要はありません。善い悪いを率直に話せる相手を、一人だけでも持ち続けること。それがアリストテレスの言う人間らしさの最小単位です。
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