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PRESCRIPTION No.036PHILOSOPHER'S WORDS

最良の復讐は、相手と同じような人間にならないことだ。

マルクス・アウレリウス/自省録/古代ローマ
この一節は『自省録』から。原典で読む(自省録 (岩波文庫))

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一言でいうと

ひどい扱いを受けたとき、同じやり方でやり返すのではなく、相手のようにならないことこそが本当の意味で相手に勝つ方法だ、という教え。怒りの矛先を自分の品位へ向け直す言葉である。

くわしい解説

『自省録』は、ローマ皇帝マルクス・アウレリウスが自分自身に宛てて書き留めた覚え書きで、一部は遠征先の陣営で書かれたとされます。人に読ませるための本ではなかったので、言葉は短く、命令形が多い。この一節も第6巻に置かれた、わずか一行の自戒です。

ストア派の考えでは、他人の行為は自分の力の及ばないものですが、それにどう応じるかは自分の力の内にあります。相手が無礼だったからといって自分も無礼になれば、相手の悪徳がこちらに移ったことになる。マルクスにとって、それは損害を二重に受けることでした。

皇帝であった彼には、中傷や裏切りに報復する力がいくらでもありました。それでも彼は、怒りを向ける相手ではなく、自分がどんな人間でありたいかへと注意を戻そうとしています。復讐を禁じる言葉というより、勝ち負けの基準を自分の側に置き直す言葉だと読めます。

どんな悩みに効くか

理不尽なことを言われて、言い返したい気持ちが収まらないときに。やり返す前に、「いま返そうとしている言葉は、自分が嫌った相手のやり方と同じではないか」と一度だけ確かめてみてください。同じにならないと決めた時点で、その場の勝ち負けはもう相手の手を離れています。