PRESCRIPTION No.008PHILOSOPHER'S WORDS
怨みに怨みで報いても、怨みは決して止まない。怨みを捨ててこそ止む。これは永遠の真理である。
ブッダ/ダンマパダ/古代インド
この一節は『ダンマパダ』から。原典で読む(ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫))
※ Amazonアソシエイトのリンクを含みます(広告)。
一言でいうと
仕返しでは憎しみの連鎖は終わらず、自分の側で怨みを手放したときにだけ止まる、という教え。相手を許すためというより、怨みを抱え続ける自分を解放するための言葉である。
くわしい解説
『ダンマパダ』(法句経)は、ブッダの教えを短い詩の形で伝える古い経典です。この句は冒頭近くの第5偈にあたり、直前の偈では「あの人は私を罵った、私を打った」と思い続ける者の怨みは止まない、と書かれています。怨みが続く原因を、相手の行為ではなく、それを繰り返し思い返す心の側に置いているのが特徴です。
「怨みを捨てる」は、相手の行為を正しかったと認めることではありません。仏教が説く執着の一つとして怨みを見たとき、それを握りしめている限り苦しむのは握っている本人だ、という観察です。報復は一時的に気持ちを晴らしても、相手の報復を呼び、連鎖を長くするだけだと説きます。
「永遠の真理」と訳した部分は、原語では「古くから変わらない法則」というほどの意味です。ブッダはこれを道徳的な命令としてではなく、火に薪をくべ続ければ燃え続けるのと同じような、心の働きの法則として示しています。守るべき戒律というより、自分で試して確かめられる観察として読める言葉です。
どんな悩みに効くか
理不尽な扱いを受けて、相手への怒りが頭から離れないときに。怒りを無理に消す必要はありません。ただ「この怒りを思い返すたびに、苦しんでいるのは誰か」と一度だけ問うてみてください。手放すのは相手のためではなく、今日の自分の時間を取り戻すためです。
あわせて読みたい記事
他人との比較で苦しい時の処方箋:自己肯定感を高める哲学者の知恵SNSや職場で他人と自分を比較し、自己嫌悪に陥ってしまうあなたへ。デカルト、ニーチェ、ブッダの思想から、揺るぎない自己の軸を築くためのヒントを提案します。職場の人間関係に疲れた時の対処法:心の距離を保つストア派の思考法理不尽な上司、気が合わない同僚、他人の愚痴に振り回されて心がすり減っていませんか。エピクテトス、サルトル、ブッダの智慧から、人間関係の疲れを解消し快適な距離感を作る方法を提案します。恋愛・結婚のパートナーシップで悩んだ時:愛と孤独を見つめる愛の哲学「愛する人とうまくいかない」「パートナーとの孤独感に耐えられない」「結婚への不安がある」恋愛感情の葛藤に、ニーチェ、サルトル、ブッダの鋭い愛の哲学を提案します。
名言は、あなたの状況を知りません。この視点で、いまの悩みを相談してみませんか?
無料で相談してみる →