PHILOSOPHY GLOSSARY
哲学用語集
実存主義、アパテイア、永劫回帰——難しそうに見える哲学の言葉を、日常の悩みに引きつけてやさしく解説します。気になる言葉から、あなたの悩みに効く視点を見つけてください。
自分で変えられるものと変えられないものを見分け、変えられる内側(判断と行動)に力を注ぐ、古代ギリシャ・ローマの実践哲学。マルクス・アウレリウスやエピクテトスが代表です。
「自分次第のもの(判断・意志・行動)」と「自分次第でないもの(他人・過去・結果)」を区別し、前者にだけ力を注ぐストア派の中核原則。エピクテトス『提要』の冒頭に登場します。
怒りや恐れなどの激情(パトス)に支配されない、澄んだ心の状態を指すストア派の理想。無気力(アパシー)とは異なり、感情を消すのではなく、感情に流されない自由を意味します。
「人間はまず存在し、あとから自分で意味をつくる」と考え、あらかじめ決められた正解よりも、一回きりの自分の生き方の選択を重視する19〜20世紀の哲学の潮流。サルトルやハイデガーが代表です。
意味を求めずにいられない人間と、意味を与えてくれない世界とのあいだのズレをカミュは「不条理」と呼びました。絶望でも都合のよい意味づけでもなく、ズレを直視したまま生きる「反抗」を説きます。
ハイデガーが人間を指して使った言葉。「そこに(da)存在する(sein)」、つまり自分の存在そのものを問題にしながら世界の中を生きる、人間に特有のあり方を表します。
「この人生が、細部までまったく同じ形で無限に繰り返されるとしたら?」というニーチェの思考実験。繰り返しに耐えるどころか歓迎できる生き方を、試金石として突きつけます。
強い者への妬みや反感を直接ぶつけられないとき、価値観を逆転させて(「あちらが悪、耐える私が善」)自分を慰める心の働き。ニーチェが道徳の起源を分析するために使った概念です。
従来信じられてきた最高の価値(神・真理・道徳)が力を失い、「何のために?」への答えが無くなった状態。ニーチェはこれを時代の診断として捉え、乗り越える道を模索しました。
「もし〜したければ」という条件付き(仮言)ではなく、無条件に従うべき道徳の原則。カントは「あなたの行動の原則が、誰もが従う普遍的な法則になっても成り立つように行為せよ」と定式化しました。
確実な知識の土台を見つけるため、少しでも疑えるものはすべて一旦「偽」とみなすデカルトの思考法。疑い尽くした果てに残った「疑っている私の存在」が、「我思う、ゆえに我あり」です。
一時の快楽ではなく、自分の能力を発揮して「よく生きている」状態を指すアリストテレスの幸福概念。気分ではなく、生き方全体の質を表します。
過剰と不足という2つの悪徳のあいだにある「ちょうどよい」状態(メソテース)を徳とするアリストテレスの考え方。勇気は臆病と無謀の中間、というように状況の中で最適点を探ります。
人間には生まれる前から決まった役割や本性(本質)はなく、まず存在し、その後の選択と行動で「自分が何者か」を作っていく——というサルトル実存主義の中心テーゼです。
すべての物事は生まれては変化し、同じ状態に留まらないという仏教の根本思想。苦しみは変化そのものではなく、変化するものに「変わらないでほしい」としがみつく執着から生まれると説きます。