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PRESCRIPTION No.028PHILOSOPHER'S WORDS

人間とは、自らがつくるもの以外の何ものでもない。

ジャン=ポール・サルトル/実存主義とは何か/現代フランス
この一節は『実存主義とは何か』から。原典で読む(実存主義とは何か (人文書院))

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一言でいうと

人間にはあらかじめ決められた本質や使命はなく、その人が何者かは、その人が選び、行ったことの総体で決まる、という実存主義の第一原理。言い訳の余地をなくす厳しい言葉でもある。

くわしい解説

1945年の講演をもとにした『実存主義とは何か』で、サルトルは「実存は本質に先立つ」と述べた直後に、この言葉を実存主義の第一原理として示します。ペーパーナイフは「紙を切る」という目的(本質)が先にあって作られますが、人間はまず存在し、そのあとで自分を何者かにしていく、という対比です。

ここから導かれるのは、徹底した責任です。生まれや性格や環境を理由に「自分はこういう人間だから」と言うことを、サルトルは自分をごまかす態度として退けました。臆病な人は臆病に生まれたのではなく、臆病な行為を選ぶことで自分を臆病にしている。だからこそ、別の選び方をする自由も残されています。

この考え方は重く聞こえますが、裏返せば希望でもあります。過去にどんな選択をしてきたとしても、それはまだ確定した本質ではありません。人間は生きている限り自分をつくり続ける途中にいる、というのがサルトルの描く人間像です。

どんな悩みに効くか

「どうせ自分はこういう性格だから」と諦めかけたときに。性格はすぐに変えられないとしても、今日の一つの行為は選べます。サルトルに倣えば、あなたが何者かを決めるのは過去の自己評価ではなく、これからする選択の積み重ねです。まずは小さな一つを、なりたい自分の側で選んでみてください。