PHILOSOPHER'S WORDS
死へと向かう存在であることを認めよ。
— ハイデガー/存在と時間
一言でいうと
人は終わりがあることを普段は忘れて生きている。その事実を自分のこととして引き受けたとき、初めて借り物でない生き方が可能になる、という主張。
くわしい解説
ハイデガーは、人間(現存在)が日常では「ひと」——世間一般の匿名の主体——として生きていると分析しました。何を着るか、何を目指すかを「みんながそうするから」で決めている状態です。この状態を彼は非本来的と呼びますが、劣っているという価値判断ではなく、通常の在り方だと述べます。
そこに切れ目を入れるのが死です。ただしハイデガーが問題にするのは、統計としての死亡や他人の死ではありません。「人はいつか死ぬ」と言うとき、死は一般的な出来事に変わり、自分から遠ざけられます。彼が要求するのは、代理不可能な自分自身の終わりとして死に向き合うことです。
この直面が持つ効果は、時間の性格が変わることです。無限にあるように扱っていた時間が有限なものとして立ち現れると、何を先送りしているかが見えてくる。ハイデガーはここから、自分固有の可能性を選び取る「先駆的決意性」という在り方を描き出しました。
どんな悩みに効くか
「いつかやろう」が何年も動かないときに効きます。急かすためではありません。残り時間を意識すると、先送りしていた項目のうち本当は諦めていたものと、まだ本気のものが分かれます。分かれたら、後者に今週の一時間を割り当ててください。
この言葉の哲学者に相談できます
ハイデガー
存在・死への存在
この言葉が効く悩み
この言葉に出てくる考え方
ハイデガーの他の言葉
近いことを言っている名言
あわせて読みたい記事
正解のない選択に迷った時の哲学:決断力を磨く実存主義の知恵
転職、結婚、将来設計。「正しい選択肢」が分からず、立ち止まっていませんか。ハイデガー、ニーチェ、カントの思想から、不確実な未来への不安を克服する決断力を養います。
自分のやりたいことが分からない時の処方箋:自己を深く知るための内省哲学
「何をしたいのか、自分の本心がわからない」「周りに流されて生きている気がする」自己理解を深め、自らの内なる羅針盤を取り戻すために。デカルト、ハイデガー、アリストテレスの内省的アプローチを提案します。
家族との会話が減り、心にぽっかり穴が開いたような孤独:心の距離を縮める哲学
同居する家族との会話が希薄になり、精神的な孤独を感じるあなたへ。哲学の視点から、心の距離を縮め、満たされた関係を築くヒントを探ります。
名言は、あなたの状況を知りません。この視点で、いまの悩みを相談してみませんか?
無料で相談してみる →