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PRESCRIPTION No.016PHILOSOPHER'S WORDS

森で道に迷った旅人は、あちこちさまよってはならない。一つの方向へ、できるだけまっすぐ歩き続けるべきだ。

デカルト/方法序説/近代フランス
この一節は『方法序説』から。原典で読む(方法序説 (岩波文庫))

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一言でいうと

確実な答えが見つからないときでも、いったん決めた方向を簡単に変えないほうが、迷い続けるよりはましな場所に出られる、という行動の指針。迷いを終わらせるための実践的な知恵である。

くわしい解説

『方法序説』の第三部で、デカルトは「すべてを疑う」作業に取りかかる前に、その間の生活を支える「仮の道徳」をいくつかの格率として定めています。この言葉はその第二の格率、「行動においては、できるだけ確固として果断であること」を説明するための比喩です。

理屈はこうです。森で迷った旅人が、少し歩いては向きを変えるのを繰り返せば、いつまでも同じところを回ることになる。けれども一方向にまっすぐ進めば、望んだ場所でなくても、少なくとも森の中よりはましなどこかに出られる。最善の道が分からないときは最もありそうな道を選び、選んだあとはそれが確実であるかのように従え、とデカルトは言います。

疑いの哲学者として知られるデカルトが、行動については「迷うな」と説いているのは興味深い点です。考える場面では徹底的に疑い、動く場面では決めたことを貫く。この二つを分けたことで、彼は疑いながらも生活を止めずに済みました。決断の質よりも、決断のあとの一貫性に価値を置く考え方です。

どんな悩みに効くか

転職や進路で、どちらを選んでも正解か分からず決めきれないときに。迷い続けること自体が一番の遠回りになる場合があります。今ある材料で一番もっともらしい方向を選び、決めた期間だけは振り返らずに進んでみてください。森を抜けてから、地図を描き直せばいいのです。