PHILOSOPHER'S WORDS
良識はこの世で最も公平に配分されている。
— デカルト/方法序説
一言でいうと
正しく判断する能力は誰もがほぼ等しく持っている。違いを生むのは能力の量ではなく、それをどう使うかという方法である、という宣言。
くわしい解説
『方法序説』はこの一文から始まります。デカルトはすぐに皮肉を添えます——誰もが自分は十分に良識を持っていると思っており、他のことでは不満を言う人でさえ、良識についてだけは不足を訴えない、と。この観察自体が、能力が行き渡っている証拠として使われます。
そのうえで彼は本題に入ります。優れた精神を持っていることだけでは足りない。大事なのはそれをよく用いることだ。とても足の速い人でも道を間違えれば、ゆっくり正しい道を歩く人に追い抜かれる——彼はそう例えます。
この構えが『方法序説』という書名につながります。天賦の才ではなく手順を論じる本だ、という宣言です。だから彼は自分の思想を体系として押しつけず、「私はこう進んだ」という一人称の物語として、当時の学術語ラテン語ではなくフランス語で書きました。誰でも読めて誰でも試せる形にすること自体が、主張の一部だったわけです。
どんな悩みに効くか
「頭のいい人は違う」と思って自分の判断を引っ込めてしまうときに。デカルトの見立てでは、差がついているのは地力ではなく手順です。焦って結論に飛ばず、確かめられることから順に置いていく——それだけで判断の質は変わります。
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