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PRESCRIPTION No.009PHILOSOPHER'S WORDS

あえて賢くあれ。自分自身の理性を使う勇気を持て。

イマヌエル・カント/啓蒙とは何か/近代ドイツ

一言でいうと

他人の判断に寄りかかっている状態から抜け出し、自分の頭で考える勇気を持て、という呼びかけ。カントはこれを能力の問題ではなく決意の問題として書いた。

くわしい解説

1784年の小論『啓蒙とは何か』でカントは、啓蒙を「人間が自分自身に責任のある未成年状態から抜け出ること」と定義しました。未成年状態とは、他人の指導なしには自分の理性を使えないこと。そして重要なのは、その原因が理性の欠如ではなく決意と勇気の欠如にある、という診断です。

カントは容赦なく続けます。自分の代わりに考えてくれる本があり、良心を代行してくれる牧師がいて、食事を選んでくれる医者がいるなら、自分で骨を折る必要はない——だから未成年状態は楽なのだ、と。つまり彼が問題にしたのは無知ではなく、判断を預けることの居心地のよさでした。

ただしカントは反抗を勧めているわけではありません。同じ論文で、職務上の義務には従いつつ、公衆に向けて理性を公に使う自由は守られるべきだと論じます。従うことと考えることは両立する。考えることをやめてしまうことだけが問題なのです。

どんな悩みに効くか

「みんながそう言うから」で決めた選択が、あとから重くのしかかるときに。周りの意見を無視する必要はありません。ただ、その判断の理由を一度だけ自分の言葉で書き直してみてください。書けたなら自分の判断です。書けないなら、まだ預けたままです。