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PHILOSOPHY GLOSSARY

中庸

ちゅうようThe Golden Mean

別の言い方:メソテース/中間の徳

一言でいうと
過剰と不足のあいだにある「ちょうどよい」状態を徳とする考え方。

過剰と不足という2つの悪徳のあいだにある「ちょうどよい」状態(メソテース)を徳とするアリストテレスの考え方。勇気は臆病と無謀の中間、というように状況の中で最適点を探ります。

くわしい解説

アリストテレスは『ニコマコス倫理学』で、徳(アレテー)を「過剰と不足の中間」と定義しました。勇気は臆病(不足)と無謀(過剰)の中間、気前よさはけちと浪費の中間、誇りは卑屈と傲慢の中間——感情や行動そのものが悪なのではなく、量とタイミングの外し方が悪徳を生む、という発想です。

重要なのは、中庸が機械的な「真ん中」や無難な妥協ではないことです。適切な点は状況と本人によって動くため、見極めには実践知(フロネーシス)が要ります。そしてそれは生まれつきではなく、繰り返しの行動で身につく習慣だとアリストテレスは強調しました。「私たちは、正しい行為をすることで正しい人になる」のです。

儒教の「中庸」やブッダの「中道」と響き合う、洋の東西で別々に発見された知恵でもあります。極端の魅力に引っ張られやすい時代ほど、価値が増す考え方です。

日常の悩みに引きつけると

頑張りすぎて燃え尽きるか、諦めて手を抜くか——0か100かで振れてしまうときこそ中庸の出番です。「今日の自分にとっての60点はどこか」を先に決めてから始める。極端を行き来するより、状況に合わせて置き直す中間点こそが、続けるための技術です。