PHILOSOPHER'S WORDS
幸せは自分次第である。
— アリストテレス/ニコマコス倫理学
一言でいうと
幸福は運や他人から与えられる贈り物ではなく、自分の選択と行いの積み重ねから生まれる、という宣言。裏を返せば「今の自分の状態には、自分の関与している部分がある」という厳しさも含む。
くわしい解説
アリストテレスにとって幸福(エウダイモニア)は、気分がいいことではなく「人間としてよく機能している状態」でした。楽器の名手が上手に弾けているときに幸福なのと同じで、人間は人間らしい能力——考える力、選ぶ力、他者と関わる力——をよく発揮しているときに幸福なのだ、と考えます。
だからこの言葉は「気の持ちようだ」という精神論ではありません。よく機能するためには訓練が要る、という前提とセットです。彼は徳を「習慣によって身につくもの」と見ていたので、幸福もまた一日の決断ではなく、日々の反復の結果として立ち上がってくるものになります。
同時に、アリストテレスは外的条件を無視していません。健康や最低限の資力、友人といった「外からの善」が欠けていれば幸福は損なわれると明言しています。つまり「自分次第」は万能感の宣言ではなく、条件が同じでも人によって幸福の度合いが変わるのはなぜか、という問いへの答えです。
どんな悩みに効くか
「幸せになれないのは環境のせいだ」と思うとき、この言葉は責めるためではなく、動かせる範囲を探すために使ってください。環境の何割かは確かに動かせません。それでも、今日の行いの中に自分で決められる一つはあります。その一つを見つけるのが出発点です。
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