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PRESCRIPTION No.039PHILOSOPHER'S WORDS

自由であるための道は一つしかない。それは私たちの力ではどうにもならない事柄を見くびることである。

エピクテトス/語録/古代ローマ

一言でいうと

自分の力の及ばないものに執着している限り、その対象に縛られ続ける。手放すことは諦めではなく、自由を取り戻す手段だという主張。

くわしい解説

エピクテトスにとって自由とは、政治的な身分でも移動の自由でもなく、何にも支配されていない状態を指しました。彼の定義では、欲しいものを手に入れられない人ではなく、欲しがっている限りその対象に支配されている人が不自由です。

「見くびる」と訳される語は、価値がないと侮ることではありません。自分の幸不幸をそれに委ねない、という距離の取り方です。健康や評判を求めてもよい。ただし、それが手に入らなければ生きる意味がないという形にしてはならない、という条件が付きます。

『語録』の中で彼は、鎖に繋がれても心は繋げないと繰り返します。逆に言えば、外のものに幸福を預けた人は、鎖がなくても繋がれている。この対比が、彼が奴隷出身でありながら自由を語れた根拠になっています。身分ではなく、何に幸福を預けているかが自由の所在を決めるという主張です。

どんな悩みに効くか

特定の結果——合格、昇進、あの人の返事——に人生が懸かっている感覚があるときに。望むのをやめる必要はありません。ただ「これが駄目でも続くもの」を先に三つ挙げておいてください。逃げ道の確保ではなく、支配関係を切っておく作業です。