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PHILOSOPHY GLOSSARY

コントロールの二分法

こんとろーるのにぶんぽうDichotomy of Control

別の言い方:権内と権外/変えられるもの・変えられないもの

一言でいうと
自分次第のものと、そうでないものを線引きし、前者にだけ力を注ぐ。

「自分次第のもの(判断・意志・行動)」と「自分次第でないもの(他人・過去・結果)」を区別し、前者にだけ力を注ぐストア派の中核原則。エピクテトス『提要』の冒頭に登場します。

くわしい解説

エピクテトスは『提要(エンケイリディオン)』の冒頭で、世界を「権内(自分の力の及ぶもの)」と「権外(及ばないもの)」に分けました。権内にあるのは自分の判断・欲求・行動だけで、身体や財産、評判や地位さえ権外に属する、と言い切ります。

この区別が重要なのは、不幸の多くが「権外のものを思い通りにしようとする」ことから生まれるためです。逆に、権外のことは「そういうものだ」と受け取り、権内の一手に集中できたとき、人は状況に振り回されにくくなります。「私たちを動揺させるのは物事そのものではなく、物事についての考えである」という彼の言葉は、同じ原則の別の表現です。奴隷の身分から解放されて哲学教師になったエピクテトス自身の人生が、この原則の実演でもありました。

現代のストレス対処で使われる「影響の輪・関心の輪」や、「変えられるものを変える勇気を」と祈るニーバーの祈りは、この二分法の子孫といえます。

日常の悩みに引きつけると

「面接の結果が不安で眠れない」——結果は権外、準備と当日の受け答えは権内です。悩みを書き出して「これは自分の行動で動くか?」と1つずつ仕分けると、今日やることが数個だけ残ります。その残ったものに取り組むことが、不安へのいちばんの処方になります。