PHILOSOPHER'S WORDS
冬の真っただ中、私の中に決して負けない夏があることに気づいた。
— アルベール・カミュ/手帖
一言でいうと
最も苦しい時期のただ中で、外側の状況に左右されない自分の芯に気づいたという記述。慰めではなく、発見の報告として書かれている。
くわしい解説
カミュの随筆・手記に現れる一節で、彼の文章のなかでも特に引用の多い言葉です。原文では、この後に「夏」だけでなく、憎しみや嵐や不正に対しても自分の中に打ち勝つものがあると続きます。つまり単なる前向きさではなく、抵抗の主題と地続きです。
カミュ自身の背景も無関係ではありません。アルジェリアの貧しい家庭に育ち、若くして結核を患い、戦時下ではレジスタンスの新聞に関わりました。地中海の光に満ちた風景への愛着と、死や不条理への直面が、彼の中では対立せず並んでいます。
この一文が慰めの言葉と違うのは、冬を否定していないところです。冬の真っただ中で、と彼は明記します。状況が改善したから気づいたのではなく、状況が最悪のままで気づいた。だからこの夏は、環境が良くなることを条件にしていません。条件付きでない支えだけが、最も条件の悪い時期に使えるものになります。
どんな悩みに効くか
状況が何も変わらない時期に。「前向きに考えよう」ではなく、冬のままで残っているものを探す言葉として使ってください。この数週間、どれだけしんどくても手放さなかったものが一つあるはずです。それが、あなたの側の芯にあたります。
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