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PHILOSOPHY GLOSSARY

ニヒリズム

にひりずむNihilism

別の言い方:虚無主義

一言でいうと
最高の価値が力を失い、「何のために?」への答えが無くなった状態。

従来信じられてきた最高の価値(神・真理・道徳)が力を失い、「何のために?」への答えが無くなった状態。ニーチェはこれを時代の診断として捉え、乗り越える道を模索しました。

くわしい解説

ニヒリズム(虚無主義)は「無」を意味するラテン語ニヒルに由来します。ニーチェは「神は死んだ」という言葉で、ヨーロッパの価値の土台(キリスト教的な神・絶対的真理)が近代において信じられなくなった事態を診断しました。ニヒリズムは彼の主張ではなく、彼が向き合った時代の病名です。

ニーチェはニヒリズムを2種類に分けます。価値の崩壊に打ちひしがれて「どうせ何も意味がない」と沈む受動的ニヒリズムと、古い価値の空席をむしろ好機と捉え、自分の価値を創造していく能動的ニヒリズムです。永劫回帰や超人は、後者のための思考装置でした。

「何の意味もない」という感覚は、実は「与えられた意味を鵜呑みにしない」誠実さの裏返しでもあります。問題は虚無を感じることではなく、そこで立ち止まり続けるか、創造へ転じるかの分かれ道にあります。

日常の悩みに引きつけると

「やる気が出ない」「全部どうでもいい」という時期は、古い目標(他人の期待・世間の成功像)が効力を失った移行期なのかもしれません。意味を「見つける」のをやめて、ごく小さく「つくる」——自分で決めた朝の習慣1つでも、能動的ニヒリズムの最初の一歩になります。