PHILOSOPHER'S WORDS
自分自身を乗り越えよ。
— ニーチェ/ツァラトゥストラ
一言でいうと
人間は完成した状態ではなく、乗り越えられるべき途中である。他人との比較ではなく、昨日までの自分を超えていく運動に価値を置く。
くわしい解説
『ツァラトゥストラはこう語った』でニーチェは「人間は乗り越えられるべき何ものかである」と語らせます。ここでの「乗り越え」は他人に勝つことではありません。比較の相手は常に過去の自分であり、勝敗ではなく変化そのものが問題にされます。
この考えの背景には、彼が「力への意志」と呼んだ見方があります。生きているものは現状維持ではなく、自らを増大させ、形を変えていく傾向を持つ。だから安定はしばしば停滞と区別がつかず、快適さは彼にとって警戒すべき兆候でした。
ただし注意が必要です。ニーチェの「超人」は、努力で強くなる自己啓発の主人公ではありません。彼が繰り返し攻撃したのは、外から与えられた価値表に沿って点数を上げる態度でした。乗り越えるべき「自分」には、他人の物差しを内面化した自分も含まれます。むしろそちらのほうが、彼にとっては手強い相手でした。
どんな悩みに効くか
同期や同僚と比べて落ち込む日に向いています。ニーチェの提案は、比較をやめることではなく、比較の相手を差し替えることです。今日できるようになったことを一つ、去年の自分に説明するつもりで書いてみてください。物差しが自分の側に戻ります。
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